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三泊四日の修行

ゴールデンウイークは京都の節目節目にお世話になっている宿に籠もる。家内方のお墓が本能寺にあるので、毎朝のお墓参りと部屋の用意が出来るまでの寺町をぶらぶらする以外はほとんど何もしない。今回もゴールデンウイーク明けすぐニューヨーク出張なので資料を持込んだけれど、パラパラとめくるだけだった。それ程この宿で過ごす時間は至福な時間。年に一度の贅沢。3泊の料金はもの凄く高い。でも旅行に行く事を考えると、この宿で過ごすほうが圧倒的に価値がある。それに、日本最高峰と言われるこの宿の、水を打った素晴らしい玄関を毎度ドキドキしながらくぐり、今回もお世話になりましたと言って宿を後にするまでは僕には修行みたいなもの。立ち振る舞い、会話の内容、服装、食事の戴き方、全てが試されているように感じてしまう。そして商いを営む者として、毎回唸って、流石やなと思わせてくれる。それに此処での食事。素晴らしい器に盛られた数々な料理の美味しい事。そしてここの主と名工が作り上げた部屋と美術館行きの室礼。ここを知って丸10年。明日から頑張ってまた来れるようにしようと、帰り間際に1年先の予約を毎度入れるようにしている。

最終日の朝食の前、離れのようになっている暁翠庵という部屋で、14代柿右衛門さんの素晴らしい番組をNHKでやっていて(この宿で出てくる古伊万里に感化されて2日前に寺町の馴染みの骨董品屋で、本物かどうかわからないが、江戸中期の柿右衛門釜の小皿を買ったところだった)、番組終了後に改めて眺めた部屋の素晴らしさと、朝食の器を僕の好きな古伊万里の染め付けで揃えて頂いた素晴らしいホスピタリティに、この部屋で偶然柿右衛門さんの番組を見れた事を感謝した。

この部屋が大のお気に入りで、ほとんど部屋を出ずこの部屋に籠っていたスティーブジョブスは、この部屋で何を考えていたのだろうか。

2014年4月29日 山本